一戸建ての不動産価値と売買契約

最終更新日 2021年3月8日

監修・著者 高野 春樹

 

1階建ての平屋と言われる家は、かなり安めの土地に、安く建てられているものが多いため、不動産売却する時にはせいぜい土地代しか利益にならない場合がほとんどです。売り手にとっては思い入れがあったとしても、耐震性もなく、買い手の希望に合わないデザインの家であれば、結局売れないため、不動産売却した後に、家を取り壊して、新しい最近流行りの短期間で作れてしまう家を作ったほうが不動産屋としても売り上げにつながりやすいです。

 

この場合、築年数の長い平屋があって、家の売却を考えている場合には、土地の価格は特に変動がなければ、あえて新築2階建てを建ててから売りに出すほうが良いかもしれません。ローンが組めれば理想ですが、可能であれば1000万円ほどの新しい家を作って、価値が高い状態で売りに出したほうが利益にしやすい上に、土地代も少し色を付けて結果的には利益が増やせるかもしれません。

 

 

10年経過していれば家の価値はゼロ

公益財団法人不動産流通近代化センターのデータに基づいた家の価値の算出方法では、10年も経過するとどんなものでもその家の価値はほぼなくなってしまいます。しかし、新築の家の場合はまだまだ価値が高い状態なので、家を新しく建ててしまってから不動産売却するのもよいでしょう。もし、1000万円の家、200万円の土地がある状態ならば、新築であれば土地と合わせて1200万円以上、1300万円くらいまでは価格をあげられるかもしれません。そこそこ広い土地があって、周囲の交通アクセスも田舎や地方都市にしては良いなど田舎暮らしに憧れている方とマッチングできれば、もう少し高めの1400万円、キリの良い1500万円での売却も可能かもしれません。

 

この場合、1000万円投資して、1300万円で売った場合は差し引き100万円が利益にできますが、おそらく200万円の土地だけを売る場合は、200万円から220万円ほどの価格にしかなりません。この場合は20万円の利益にしかなりませんので、住宅ローンなどを頼れて、採算が合うのであれば家を建ててから売ったほうが5倍ほど利益が出ることになります。こうした家の売り方の工夫や、利益の出し方、売買契約の注意点などはやはり不動産売却のプロに任せないとできないことですから、不動産売却を検討している方は早めにプロに相談しましょう。十分利益が出せるよう売り手側で考慮できるならば、不動産会社も利益を出したいものですから、きっと可能な限りの協力をしてくれるでしょう。


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